RESULT

0DRADITION 2017


後楽園ホール   18:00開場 19:00開始

藤波辰爾デビュー45周年記念ツアー in TOKYO
観衆:2,473人(超満員札止め)

大会のポイント

45周年セレモニー:藤波・猪木・木村・前田…
プロレス黄金時代のレジェンドが大集結!
メイン:藤波&長州&越中 VS ベイダー&武藤&AKIRA
時代を支えた千両役者たちが激戦!
第3試合:藤原&高岩 VS G・カブキ&大谷
G・カブキ登場!今大会最も異質なタッグマッチ

第1試合(Sタイガー、蓮見 vs 三州、倉島)
 倉島と三州の中年タッグが、ゴツゴツ&ネチネチとした闘いに引き込もうとするが、スーパー・タイガーが鋭い打撃技、肉体をシャープに絞り込んだ蓮見は、スルリスルリとスピーディに2人の押さえ込みから逃げ出し、逆に倉島の左腕にからみつき、スネークピットの伝家の宝刀・ダブルリストロック。危険を感じた倉島が、あわててこれを逆十字固めに切り返す攻防。
 タイガーは華麗なるフライング・ニールキック、師匠の初代タイガー仕込みの元祖タイガードライバー(フロント・ネックチャンスリー・ドロップ)で倉島を追い込むと、代わった三州の延髄にカカト落としを叩き込み、変形の羽根折り固めで、全身にからみついてギブアップ勝ち。的確な必殺技オンパレードで銀座の若大将・三州を仕留めた。
 試合に敗れた倉島は「試合中、どの場面で負傷したか分かりませんが…」と試合後も右肩を押さえつつ悔しさをにじませていた。

第2試合(LEONA vs 新井健一郎)
 巧みにLEONAに握手を求め、自分のペースに持っていこうと企む新井は、ジェントル高久レフェリーとまで握手を交わし、LEONAを自分色に染めようとするが、LEONAはあくまで動じず、そのままゴング。試合は意外や手首、足首を取り合う、ねちっこい寝技戦に。LEONAのケサ固めで圧迫され、さらにショルダースルーで投げ捨てられた新井は場外退避。LEONAはドラゴンロケットの発射を狙ったが、新井はセコンド陣を盾に巧みに回避する。
 その後もスリーパーで新井を捕獲したLEONAだったが、新井は高久レフェリーの死角を突く急所蹴り一撃で形勢逆転。ロープに足を引っ掛けつつ体重をも浴びせたスリーパーでLEONAを青息吐息にすると、ロープに目をこすりつける反則の古典技で対抗。そのまま試合を制する勢いだったが、大振りの張り手を見舞ったところで、これをよく観察していたLEONAが腕をフックして、そのまま逆さ押さえ込みで3カウント。レフェリーに3本の指を立てて確認するポーズまで父親に似つつ、シングル2戦目の勝利をモノにした。
 父の40周年記念興行で突発的にプロレス転向を宣言し、5年後の45周年記念興行を勝利で飾ったLEONAは「(試合展開の中に)チャンスがあることに気がつけた、冷静に見られたことが勝因です。(デビュー戦で)船木(誠勝)さんに蹴られて、頭から落とされていた時に、とてもそんな余裕はありませんでした」とコメント。父である藤波辰爾のデビュー45周年の偉業に関しては「親子とか、そういうことはまったく関係なく、プロレスラーとして本当に凄いことだと思います」と語っていた。

第3試合(カブキ、大谷vs藤原、高岩)
 今年、デビュー25周年を迎える「若く熱い」大谷と高岩に引っ張られるように、68歳のカブキ、67歳の藤原組長も闘志ムキ出しで対峙。カブキが藤原をコーナーに詰めて、得意のアッパーカット連打を見舞えば、藤原も頭突きでカブキのリズムを崩しては、ワキ固めで得意の寝技地獄へと引きずり込む。
 ガス欠しがちなカブキと藤原を補うように、大谷と高岩がそれぞれタッチワークを生かし、ベテランをコーナーで休ませつつ、激しい闘いを繰り広げるが、意地に火がついてしまったベテランは、すぐにリングに飛び出してきては、カブキが高岩にアッパーからクロー攻撃、それを藤原が頭突きでカットと止まらない。
 最後はカブキが高岩の顔面めがけて赤い毒霧を噴射し、場内のボルテージをマックスにすると、現レジェンド王者の大谷が橋本真也さん直伝のケサ斬りチョップを振り下ろして3カウント。カブキとの異色タッグで勝利の美酒に酔った。

セミファイナル(長井、KENSO vs 髙山、佐野)
 ゴングと同時に、KENSOがサウスポーのビンタで佐野を圧倒。すぐにタッチして出てきた髙山と長井は正面からの手四つで互いのパワーを確認し合ったまでは良かったが、すぐま戦場は超満員の場外へ……。
 長井と髙山は北側の観客席で殴り合い、KENSOと佐野は南側の観客席から帰ってこない。ようやくリング内での闘いに落ち着いたが、至近戦となった途端に、威力を発揮したのが佐野のソバットだった。長井を悶絶させるや足4の字固めで絶叫させ、下半身がガタガタになった長井を捕獲した帝王・髙山は放り投げ式のフロントスープレックスで長井を圧倒する。
 だが、終始スキを狙っていた長井が髙山の巨体をエクスプロイダーで投げ捨てると、KENSOがビンタから両者を場外へ叩き出し、2人にまとめてプランチャー。またもや全員が場外に出てしまう乱戦模様。最後はKENSOがビンタで髙山を場外に追い出したスキを狙って、長井が佐野をみちのくドライバーⅡで叩きつけ、ハイパーニー空牙で佐野の頭部を撃ち抜き3カウント。見事に勝利を飾った。

メーンイベント(藤波、長州、越中 vs ベイダー、武藤、AKIRA)
 藤波の45周年を祝うために集った千両役者6選手。AKIRA、越中、武藤、長州、ベイダー、藤波と各選手がそれぞれのテーマ音楽で個別に入場。この時点で場内は割れんばかりの大歓声に包まれた。
 ゴングが鳴ると、35年前(1982年)は「お前が先に出ろ!」で揉めに揉めて仲間割れした藤波と長州が、今度は「オレが先発だ」で互いに譲らず、それを仲介したサムライ・越中が先発でベイダーに突撃。すぐにタッチして登場した藤波がベイダーと対峙するや、ベイダーも両手を挙げて「カマーン」と挑発。強烈すぎるベイダーハンマー(パンチ)、コーナーに押し込んでの顔面パンチ連打で、藤波をダウンさせ、さらにラリアート、髪の毛をワシ掴みにするや、大声で挑発する。
 ようやくパンチをカットして、強烈なビンタで体勢を入れ替えた藤波だったが、170㌔の体重で突進してくるベイダーに「ついつい昔のクセで…」と、ボディスラムを見舞わんとしてしまったが、これは大失敗。だが、脳天からマットに落下したベイダーは大ダメージを負い場外逃避。自ら覆面を脱ぎ去って、ダメージの回復を待った。
 代わってリング内は長州と武藤が対峙し、武藤のドロップキック失敗を誘った長州はサソリ固めで捕獲。長州からタッチを受けた越中がAKIRAにヒップアタック連発で痛めつければ、藤波は久々に弓矢固め(ボーアンドアロー)、ドラゴンスクリューを披露して圧倒する。
 その間に場外で回復したベイダーは、再びリングに登場すると越中に豪快なノド輪落としを見舞い、コーナーに登ってプレス刑。なんとかカウント2で返した越中からタッチを受けた長州は、果敢にもラリアートを見舞っていくが、相打ちとなった2発目では自身が先にダウン。すかさず武藤が長州を足4の字固めに捕えた。越中のカットで長州が脱出すると、藤波がドラゴンスリーパーで武藤を捕獲するも、今度は変幻自在にリング内を動き回るAKIRAの妨害に幻惑され、武藤のシャイニングウィザードを直撃され、さらにAKIRAの必殺・ムササビプレスを被弾する大ピンチ。  ベイダーが場外にいるのを確認した長州が、リキラリアートでAKIRAを吹っ飛ばして援護射撃すると、阿吽の呼吸で藤波が背後からドラゴンスリーバーでAKIRAにからみつき、長州と越中がベイダーと武藤の乱入を阻止。至高の名場面の中、ついにAKIRAからギブアップを奪い、45周年記念試合を勝利で飾った。

45周年セレモニー
 メーン終了後のリングでは、藤波の45周年を祝う記念セレモニーを実施。まずは、おなじみの入場テーマ曲とともに前田日明氏が花束を手に入場。満面の笑顔とともに藤波、長州、越中、武藤、AKIRA、そして、自身と入れ替わる形で新日本プロレスに初登場(1987年12月27日)することになったベイダーとガッチリ握手を交わした。
「久々に、控室で久々にみんなと会って、元気なんですよね。昔、(カール)ゴッチさんが50歳を過ぎて、まだ闘えるってことで凄いと思っていましたけど、みなさん、まだやっているんだから凄いです。これも、昔、頑張ってトレーニングした賜物ですよ。これからもケガのないよう、頑張って下さい」と祝福のエールを送った。  続いて登場したのは、藤波の名タッグパートナーでもあった現品川区議会議員の木村健悟氏。「45周年おめでとうございます。おめでたいけど、そろそろ辞めたらどうかな…とも思います」と、還暦を過ぎても闘い続ける、かつての仲間たちを心配する一幕も。
 そして真打ちは「炎のファイター」の音楽とともに、藤波の師匠・アントニオ猪木氏(現・参議院議員)が登場。初代付け人でもある北沢幹之レフェリーがロープを上げる中、さっそうとリングインした猪木だったが、この瞬間にリング内のベイダーが倒れるというアクシデント。すぐさまベイダーは控室へと戻ったが、猪木は開口一番「元気ですかー!」と挨拶。「今日はオレが主役じゃないから、猪木コールはいらないよ。懐かしい面々がいて、まるで同窓会だな。で、どうすりゃいいのよ?」と笑いを誘いつつ、藤波にマイクをタッチ。
 藤波が「みなさん、ありがとうございました。45周年、まだまだプロレスに飽きたりません!」と、さらなる飛躍を誓うと、再び藤波からマイクを手渡された猪木氏が恒例の「1・2・3・ダーっ!」で愛弟子の45周年を締めた。

 バックステージに戻ってきた藤波は長州とともに、ベイダーの状態を心配しつつ「やっぱり、いざベイダーを前にしてしまうと、危険だと分かっていても、つい昔のクセで、ボディスラムをやろうとしてしまった。本能だよ」と目を白黒。長州は「やっぱり、アントニオ猪木だよな」と、元気な師匠の姿に驚きつつも刺激を受けた様子。帰り際、改めて挨拶に訪れた前田氏に対して「アキラ、今度はお前もタイツとシューズ持って来いよ」と長州流のエールを送り、前田氏を困らせていた。
 WWEで猪木ととももに殿堂「ホール・オブ・フェーム」入りしている藤波は、「日本でも、そういったメモリアル、殿堂が欲しいね。今は昔からのプロレスファンの行き場がない状態だから」と力説。会場を訪れた力道山未亡人の田中敬子さんからも激励を受けていた。

試合結果

第 1 試合 タッグマッチ 20分1本勝負
蓮見隆太
○スーパー・タイガー
11分39秒
変形腕固め
倉島信行
三州ツバ吉×
第 2 試合 シングルマッチ 30分1本勝負
×新井健一郎
10分25秒
逆さ押さえ込み
LEONA○
<
第 3 試合 スペシャルタッグマッチ 30分1本勝負
×高岩竜一
藤原喜明
11分39秒
ケサ斬りチョップから
エビ固め
大谷晋二郎○
ザ・グレート・カブキ
第 4 試合 スペシャルタッグマッチ 45分1本勝負
KENSO
○長井満也
13分36秒
ハイパーニー空牙から
片エビ固め
佐野巧真×
髙山善廣
第 5 試合 6人タッグマッチ 60分1本勝負
藤波辰爾デビュー45周年記念試合
越中詩郎
長州 力
○藤波辰爾
13分09秒
ドラゴンスリーパー
AKIRA×
武藤敬司
ベイダー
試合写真
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